熊本旅行にでかけてきました。九州の食は素晴らしいですね、体重を1.5kg 増やしましたが悔いなしです。なかでも、市内観光の合間に見つけた和菓子店・大福堂のお菓子が出色だったので、味をふり返りながら、イラストで記録を残したいと思います。

熊本市「大福堂」の和菓子を紹介するイラスト

熊本へ行くからには、名物「いきなりだんご」は必ず食べたいと思っていた床山。ネット検索した中でアンテナにビビッと引っかかったのが、ここ、大福堂さんでした。

床山

「いきなりだんご」という楽しいネーミングは、簡単に作れる、急なお客さんがあってもささっと作って出せる、ということが由来となっているようです。

熊本市の上通商店街から少し外れた裏道にあるお店は、昔ながらの和菓子屋さんのたたずまい。ショーケースには、きんつばや桜餅といったメジャーな和菓子から、昭和レトロなマドレーヌや焼き菓子まで、和洋混淆の顔ぶれが並びます。これはいい予感がするぞ。

お目当てのいきなりだんごは、ショーケース上の発泡スチロールの箱に入っていました。「いきなりだんご100えん」と大きく書かれた紙が添えられています。100円……? 値段にもびっくりですが、このあとさらに驚くことになります。呼び鈴を鳴らして、さっそく買い求めることにしました。

出て見えたのは、はにかんだ笑顔が素敵な老婦人。お菓子は息子さんと二人で作られているそうです。いきなりだんごは日持ちがしないとのことで、ホテルですぐに食べることとし、その他に滞在中のおやつとして、くり万十とビスケット万十を購入しました。いきなりだんごを手渡されてみると、なんと、ホカホカと温かい! それで発泡スチロールだったのか、冷やしてあるのだとばかり思っていました。この気配り、絶対においしいに違いないね、と夫と顔を見合わせました。

いきなりだんごはホテルに戻ってもほんのり温かく、ご店主のお顔が思い浮かぶやさしい味わいでした。柔らかい皮に隙間なく包まれたお芋とこしあんはかなりのボリュームですが、甘さは控えめ。昼食後のお腹にもするりと収まっていきます。見た目の通り、全体的には素朴といえるお菓子です。でも、あんこのキメの細かさと上品な舌触りがレベルの違いを物語っていました。

これは、なんとかして滞在中にもう一度食べたい。そう思ってスケジュールを練り直し、翌日も店を訪れたのですが、残念ながらいきなりだんごは売り切れでした。人気商品なのでしょうね、仕方ない。お土産として、黒糖羊羹やしょうが糖、しおがま、さをしかなどを購入してご店主とお別れしました。これはもう、大福堂のためにまた来熊しないと。その時まで、お二人ともどうぞお元気で!と願っています。

いきなりだんごの価格は、2024年4月末時点のものです。5月より改定されるとのことです、あしからず。

◆ 大福堂
熊本県熊本市中央区上林町1-36
096-359-0781
日曜定休