本記事では、lackさんの著書における編集・執筆協力の具体的な仕事内容と、執筆時に大切にしたポイントを紹介します。

KADOKAWAより2026年4月に刊行された、イラストレーター lackさんの書籍『「描く」を仕事にする プロイラストレーターとして生きてわかった哲学&ハック』の編集・執筆協力を行いました。

人気絵師として知られる lackさんが辿ってきた道筋や、プロとしての仕事の哲学、絵の上達法や技法などを紹介した、エッセイと実用書の両方の顔を持った書籍です。

担当した内容

編集・執筆協力として、具体的には以下の業務を担当しました。

取材

担当編集者さんが準備してくださった仮の構成案をもとに、全6回のオンライン取材を行いました。

構成

全5章+巻末の構成をご提案しました。もともといただいていた構成案に沿って取材をしても、実際のお話の内容には軽重が出てくるものです。そこで、それぞれの節のボリュームを調整しつつ、章の流れがスムーズに移行するように節の順序を組み直したり、新しい節を追加したりしました。また、読み手の理解を深めるために挿入する図や挿絵のラフ提案も行いました(※イラストの制作担当は他の方です)。

執筆

全192ページ分のライティングを行いました。取材で感じた著者の温度感やお人柄、考え方が文章に表れるよう、lackさんが選んで発された言葉をなるべく生かしつつ、お話の意図を補いながら書きました。また、各節に「一言コメント」を挿入することになったため、取材メモから節に合う一言を拾って当てはめていきました。

校正

校閲から戻ってきた原稿の表記ゆれチェックや内容の精査を行いました。

「執筆協力者」と「ゴーストライター」の違いって?

ゴーストライターの名前は書籍に掲載されることがなく、その本はあくまでも著者が実際に書いたものとして扱われます。対して、執筆協力者は書籍に名前がクレジットされ、制作スタッフの一人として位置づけられます。

こうしてこの記事をご紹介できるのも、執筆協力者として制作チームに加えていただいたおかげですね。

制作で大切にしたこと

取材を通じて、著者の lackさんは頭の回転が速く合理的な考え方をされること、プロとして長く仕事をしてきた責任と自負を備えられていることを強く感じました。そこで、その人物像が文章から立ち上ってくるように、敬体を用いながらも客観的で淡々とした温度感に整えて書きました。

実用パートで意識したこと

私は執筆スタイルとして「ノイズが少なく、意味の伝わりやすいシンプルな文章」を旨としています。とくに、イラスト制作の技術や説明といった実用面がメインとなる節では、わかりやすさを心がけました。また、硬めの話題では読者が読み飽きしないように、ところどころフックとなる表現を入れて書くといった工夫を凝らしました。

エッセイパートで意識したこと

一方で、この書籍にはエッセイ的な話題も含まれます。そういったパートではあえて口語体を多めに混ぜ、会話のような勢いやライブ感が出るようにしました。落ち着いたトーンは残しつつも、テンポよく読み進められるリズム感を大切にして書きました。

私自身にイラストレーターとして活動してきた経験があるからこそ、イラスト制作に関する技術的な話題にも、活動する上での心の持ち方といったメンタル面の話題にも対応して執筆することができました。取材で伺った内容を補ったり膨らませたりすることもスムーズだったように思います。

lack著『「描く」を仕事にする』書影
『「描く」を仕事にする』書影

この本の見どころ

売れっ子絵師として名をはせる lackさん初のエッセイ的な内容を含むこの書籍では、今までベールに包まれていた、ご本人の来し方を知ることができるのが大きな魅力です。高校2年生から急遽芸術大学を目指すことになった顛末から始まり、イラストレーターにとってのペットの存在の意味、大好きな漫画の単行本を勢いで丸ごと1冊模写したエピソードなどなど、lackさんのお人柄や精神力の強さ、それを支えている環境がうかがえる内容となっています。

また、イラストレーターとして第一線で生きてきたプロの考え方に触れられるところも貴重です。SNS や生成AI との向き合い方、日々のモチベーションを保つための工夫といった、現代で絵を描く者なら一度は悩んだことのある内容についても、lackさんならではの考えが表れています。

イラストレーターを目指したい人はもちろん、すでに絵を仕事にしている人にも役立つ一冊だといえるでしょう。

書籍データ

タイトル『「描く」を仕事にする プロイラストレーターとして生きてわかった哲学&ハック』
著者lack
出版社KADOKAWA
担当内容取材・構成・執筆・校正
判型・担当ページ数A5版 192ページ
発行日2026年4月1日

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絵を仕事にしてきた経験を生かし、イラストレーターの著書ライティングの実績が複数ございます。著者インタビューや構成案の作成、取材構成なども承ります。そのほか、ファッション・生活・教育・体験レポートなどの執筆や、イラスト付きのテキスト制作などについても、ぜひご相談ください。

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